堺市長 竹山おさみの現場主義ブログ

平成26年度新規採用職員と「仕事のやりがいと抱負」をテーマに意見交換しました(研修通信より)

2015年2月24日

平成26年度新規採用職員15名と「仕事のやりがいと抱負」をテーマに意見交換を行いました。
その様子が人事部から「研修通信~堺人になろう!~」で発行されましたので、ここでもご紹介させていただきたいと思います。

 

 

平成26年度  研修通信~堺人になろう!~ VOL.10

1)仕事のやりがいと抱負について

入庁1年目の皆さんに向けて、私が公務員になった当時を思い出して話していきたい。

(1)私が新人職員であった頃

よく話していることだが、私は最初堺市役所採用試験を受験しようと思っていた。しかし、その年には職員の募集が無かったので大阪府庁を受験した。
当初は人一倍高い意欲をもって公務員を志したというわけではなかったが、入庁して1ヶ月で仕事が非常に面白くなった。公務員というのは意義のある仕事であり、自己実現もできる、ということがとてもうれしかった。
一番良かったことは、採用試験の面接官の一人が配属先の上司だったこと。「面接のときに君おもしろかったよ」と言ってもらった。その方の仕事ぶりを見て仕事の動機づけがなされたとも言える。一期一会の大切さを思った。その方には仲人までしていただいた。
私は最初人材育成の仕事を4年やって、人事課で約10年仕事をしたのだが、人事課の課長代理も面接官であった。面接官3人中2人が私の上司になったのだが、いい人に巡り合えたと思った。職員研修所や人事課でおもしろい仕事をさせてもらったことで今の私が作られたと思う。私は人が好きなので、自分の適性にも合っていた。

 

(2)何故、堺市長をめざすことになったのか

人事課で10年仕事をした後、美原町へ助役として出向になった。広域事務、補完事務を担っていた大阪府庁の仕事に対し、美原町では人の生活に密着する仕事であった。生活保護やお年寄りに対する福祉等を通じて、これが本当の公務員の仕事だと実感した。美原町では本当にいい経験をしたと思う。
また、美原町の経験を通じて、堺市民としての視点で堺を見るようになった。当時堺市はラスパイレス指数が高く、行革の必要も言われていた。
さらに堺市民として課題だと思ったのは、市長が外からの天下りで助役になり、市長になっていたことである。本当に堺市民のことが分かっているのか、それでいいのかと感じていた。
美原町の町長は現場を見て、夜の座談会に入っていって住民と話をする方だったので、その方に触発された。市民目線、現場主義の原点である。

次に、堺の精神、3つのDNAについてだが、堺っ子には次の3つのDNAがあるという話を常々している。
世界に飛び出し、挑戦する、冒険者としての「南蛮貿易の遺伝子」、古墳時代から続くものづくりの「匠の遺伝子」、そして、千利休や与謝野晶子をはじめとした権威に頼らない、また多様性を受け入れる「自由の遺伝子」である。このような3つの遺伝子を持っていることを我々は誇りに思わないといけない。

そして私もこの3つの遺伝子を持っていたのだと思う。堺市長にチャレンジしたいと思ったときは定年の1年前だった。このまま退職すれば、通常であればどこかの外郭団体の理事長になるという道が予想され、迷ったのだが、59歳の時に自己都合退職をして堺市長選にチャレンジした。

チャレンジできるというのは素晴らしいことだと思って、まさに清水の舞台から飛び降りる気持ちであった。

「堺っ子に宿る3つのDNA」については、元は中谷彰宏氏が私との対談時におっしゃっていたことだが、いい話だったので承諾を得て使わせてもらっている。

そのようなことで堺市長になり、「子育てのまち」、「歴史文化のまち」、「匠の技が生きるまち」加えて、「市民が安心、元気なまち」を皆さんと一緒に作っていくとともに、施策を市民に説明できること、説明責任を果たすことが大事だと常に思っている。

 

2)皆さんに期待すること

(1)おもしろおかしく 

これは堀場製作所の堀場雅夫氏の言葉である。人生の一番いい時期、一日の一番いい時間に仕事をするのだから、おもしろおかしくしないといけないとおっしゃっていた。創意工夫や協調性ということがうまくいくようにすることが経営者の務めだとおっしゃっていた。その言葉に共感した。私もこのことが大切だと思う。管理職も、皆さんもそう思ってほしい。

(2)一生懸命、他人の痛みがわかる

次に、仕事に全力投球し、市民と真剣勝負で対応することが必要である。またお年寄りや障害のある方、困難を抱えている人が窓口に来られるが、その人たちの痛みがわかる職員であってほしいと思う。

(3)日々成長、自己啓発 ~チャンスを逃がすな!~

職場は日々成長の場でないといけない。そのために自己啓発をどう行っていくか、新聞記事が自分の仕事にどう関係しているかを考えること、また雑誌や本を読んで知識を広げることが大切である。
様々な人と会って話すこと、異業種の人と交流することも行ってほしい。物おじせずに話せばいい。話すときに自分が引くと相手も引いてしまう。ポジティブシンキングで、好奇心を持ってほしい。
私はたくさんの方とお会いする。先日は木村充揮(きむらあつき)さんとお会いした。「天使のダミ声」と言われている憂歌団のメンバーだが、この人の歌は素晴らしい。また、KANA-BOONは堺市出身で、市長に会いたいと言ってもらっているようで今度話をさせてもらう。最近は朝のひと時、甘いものを食べながらKANA-BOONを聴いたりしている。
そういうように様々な人と会うこと、興味を持つこと、そこで得られるものがあると思う。昨日も政治家をめざしているという人にあった。弱気なことを言うので思わず叱咤激励してしまった。
一昨年の市長選挙の前には、110回ほどタウンミーティングを行ったが、おそらく5000人ぐらいと会って市政について話をした。その際にたくさん要望を受けるが、きちんと返事を返すことが大切だと思う。

「幸運の女神には後ろ髪がない」というヨーロッパの諺がある。成長のためにはチャンスは逃さずつかむことが大事だということだ。

自己啓発でお願いしたいことは、堺のことをよく知ってほしいということである。堺の歴史について、タウンミーティングでも話していたことだが、簡単に紹介させてもらう。
堺は明治元年から堺県になった。市制施行前は大和を含む県であり、大阪府を凌ぐ規模であった。そのため経済力で上回る堺を大阪府が統合したいと考えた。
また明治22年の市制施行時の市域は今の堺市域と違っていた。私の地元は黒土だが、金岡村も昭和14年9月1日に堺と合併した。私の祖父が村会議員だったので、祖父から話を聞いた。合併にあたっては村の中で熟議を重ねて決めたそうだ。金岡は堺の穀倉地帯で、今も農業を大事にしている。金岡とは金の岡、鋳物師の里であり、その気風を今も大事にしている。
そして堺は最後に平成17年2月1日に美原町と合併し、今の堺市になったことで政令指定都市になった。美原町も合併にあたり議論を尽くしたのである。
大阪都構想では、大阪市を5つの区割りにすると言っているが、人口や経済力だけで分けている。また堺を2つか3つに分けるという話だったので、地域の連帯感を無視して分けることはできない、おかしいとタウンミーティングで訴えてきた。それぞれ歴史や地域の連帯感があるからである。

もう一つ、昭和36年には当時の河盛市長が100万都市構想を掲げ、政令指定都市になると言った。政令指定都市への移行はこのときから45年かけた思いであり、簡単に人口で分割することは、これら先人の思いを無にすることにもなる。

堺がどう発展してきたかについて、中世、近世からの歴史を知っていることが、市民にとっても職員にとっても必要である。

(4)健康管理 ~ストレスは人生のスパイスだ!~

健康管理はとても大切で、自分はもとより家族や、職場の人の健康も大切にしてほしい。ストレスを感じることもあると思うが、ストレスは人生のスパイスでもあり、うまく付き合うこと。ストレスをコントロールするためには忘れることが大切。理不尽なこともたくさんあると思うが忘れること。ただし、覚えておくべき大事なことはしっかり覚えておかなければならない。

(5)全体の奉仕者であること

我々は全体の奉仕者であることを忘れてはいけない。信用を失墜させる行為は絶対に行わないこと。飲酒運転は絶対にしてはいけない。公務員としての自覚を忘れてはいけない。
税金で運営しているのは信用が前提となっている。信用のうえに行政が成り立っていることを忘れてはいけない。

 

これら5つのことを皆さんにはお願いしたい。

 

●意見交換会

 

職員:業務を通じて市民や他部署の職員から感謝されるとやりがいを感じる。今は同僚の助けを得ているので、今後は自分も他の職員を助けられるようになりたい。
新規採用時の研修で、笑顔は人に安心感を与えることを学んだ。これからもおもてなしの心で接していきたい。

市長:コミュニケーションの良い職場では、人はよりやりがいを感じる。笑顔がコミュニケーションを良くするので、やりがいの向上につながる。今後も継続してください。

職員:組織の役に立っているという実感がまだないことが悩みである。早く一人前になって職場の戦力になりたいという焦りがある。
目の前の仕事で精一杯なので、視野を広げていきたい。

市長:成果は徐々に出てくるものと思う。パレートの法則というものがあり、80対20の法則とも言われるが、例えば8割の売り上げを2割の製品が上げているというもの。職場でも同じで、2割が組織を動かし、6割がそれに付いていき、2割が足を引っ張っている。これはどの組織でも同じ。皆さんはこの上位2割にならないといけないし、職場では上位2割を4割にし、足を引っ張る2割を減らす努力が必要である。そうすることで堺市はパワーアップし良くなっていく。上位に入れるように頑張ってください。

職員:先輩職員から、業務を70~80%の力でこなしていると指摘され、100%の力で業務に当たるように言われた。今後は全力で業務に当たりたい。

市長:常に100%の力でやるのは難しいけれど、マインドを全力に持っていくことが大事である。

職員:建築課で業務を行っているが、建物が出来上がっていく様子が見えることに最も魅力を感じている。市民に好かれる建物を造りたいと考えている。全ての要望を取り入れることはできないが、説明して納得してもらえるようにしたい。コスト意識も忘れないよう気を付けていきたい。

市長:先日、建築が進む「さかい利晶の杜」を見てきたが素晴らしかった。費用対効果も大切だし、見せ方も大事である。造って終わりではないのでこれからも頑張ってください。

職員:高卒で入庁して半年間は学生気分が抜けきらず、先輩の指導にも納得できないことがあった。しかし、「我々は堺市の看板を背負って市民サービスを行っている。そのことがわかっているか」と言われて以来、自分の業務の重要性を認識し、やりがいを感じられるようになった。またその先輩から、「日々の業務をただこなすだけではなく、考えながらやること、そうすれば今後どこの職場でもやっていけるよ」とアドバイスされた。これからも先輩の指導のもとスキルアップに努めていきたい。

市長:いい先輩を持ちましたね。先輩の言うことを大事に咀嚼して考えてくれたらいいと思う。

職員:担当業務以外の様々な知識が得られる職場なのでやりがいを感じる。また美原区は市民と職員の距離感が近いところにもやりがいを感じる。市民対応で相手の気持ちを和らげられる職員になりたい。

市長:美原区が市民と職員の距離感が近いと言うのはそのとおりですね。人情が感じられる職場ですね。

職員:学校給食は安全安心が原則。ただ、食材の変更など急きょ対応しなければならないことは多い。代替品を無事手配できた時にはホッとした。子どもたちが日々普通に給食を食べられるようにできることにやりがいを感じている。日々の経験を積んで力をつけていきたい。

市長:緊急の対応が日々あるのですね。学校給食において、きちんとチェックしてくれているのでありがたいと思います。

職員:百舌鳥古墳群の世界遺産登録をめざしているが、観光の振興と古墳の保全をどうバランスを取るべきだと思いますか。

市長:百舌鳥古墳群は人類普遍の歴史遺産であるが、私は堺を観光都市にしようと思っていない。堺は観光都市ではなく、歴史文化都市をめざすべきだと思う。

 

20150224


現場主義ブログの最新記事