森教授と竹山市長の対談 テーマ「再び、堺の自治を考える!」(概要)

2016年3月10日

前に「おさみ通信」にアップした森教授の講演の続きで、竹山市長との対談の概要をまとめました。

 

立命館大学政策科学部教授 森 裕之 × 堺市長 竹山おさみ
対談テーマ 「再び、堺の自治を考える!」  (概要)

(竹山)
森先生、ご講演ありがとうございます。
ところで、森先生は昨年の5月17日の大阪市住民投票の結果、さらに11月22日の知事・大阪市長ダブル選挙結果をどのようにとらえられていますか?

(森)
府知事選挙はともかくとして、市長選挙で維新の吉村候補が自民党の柳本氏にあれだけの得票差をつけたのは理解しがたいものだった。
一つには、有権者には納得できる政策が提示されていないようにみえたのだろうと思う。
もう一つは、維新の選挙運動が地道に展開され、それが有権者の投票行動にプラスの影響を与えたと考えている。

(竹山)
ダブル選挙で都構想再挑戦が認められたと言われている。
例えば、朝日新聞の12月14日の調査でも大阪府民の63%、大阪市民の59%が再挑戦に賛成している。
私は、大阪市民の都構想住民投票では、大阪市の廃止の可否のみ問われ、大阪市を特別区に分割したら、大阪市民の生活やまちづくりがどのようになるのかを双方とも具体的に説明しなかった、またはできなかったことによるものと考えている。

(森)
今回、副首都推進本部で「新たな大都市制度の再検討」を謳っているが所見は?
内容的には、大阪都構想(=政令市の廃止分割構想)を軸としてもっている。副首都などという得体のわからない議論の背後にある本質をしっかりと把握しながら、事態の推移を追っていくことが必要だろう。

(竹山)
吉村大阪市長の大阪市政に対するスタンスがはっきりしない。
橋下市長が不参加を表明していた関西ワールドマスターズゲームの参加を表明したし、外国総領事との面談も再開している。
「大都市大阪を実現したい」と言っているようだが、しかし、「府市の広域行政の一本化、二重行政の解消」「任期中に住民投票」を明確に打ち出している。
すなわち、大阪都構想の再構築を目的としていると言ってよいと考える。衣の中に鎧が見え隠れする。

(森)
堺市はどのように関与していくのか?

(竹山)
副首都推進本部に参加の要請が松井知事からある。
国の在り様として東京一極集中は是正しなければならない。しかし、大阪のみで対応すべきものではなく、関西府県全体で二極構造を形成するもの。
そうした議論には、政令市堺として参画していきたい。
ただし、この本部の真の狙いは、都構想設計図を描くことであり、その議論に二重行政のない堺市が参加することはない。

(森)
なぜ、市長は都構想に反対するのか?

(竹山)
河盛元堺市長が昭和36年に謳った「百万都市構想」は大阪市と同じように政令指定都市になろうということ。
基礎自治体の中で、権限と財源が最高に保障されている政令市を解体することは市民にとって「百害あって一利なし」と考える。

(森)
竹山市長はどんなまちを目指しているのか。

(竹山)
さきの市長選挙で掲げたマニフェスト「堺ビジョン1・3・1」をしっかりと進めていく。
ストップ大阪都構想、都市内分権を確立し、堺3つの挑戦「子育て」「歴史文化」「ものづくり」に取り組む。さらにまちの安全安心を第一に進めていきたい。
基礎自治体である市町村、堺市に権限と財源を移していくことが世界的な潮流である。

(森)
5月17日の住民投票の結果は多くのことを示唆している。一つには、コミュニティ意識が都市自治体の大切さを直感的に理解させること、そのための政策が自治体の取り組みの中心に位置づけられなければならないということである。もう一つは、自分たちは共に同じ社会で暮らす住民同士であることを自然に認知しあえる環境の重要さである。そこには派手さや奇抜さは必要ないが、そうしたメッセージが住民に伝わっていくことは大切である。
堺市政は良い行政を推し進めようとしているが、それを住民の中に意識として浸透させていく努力はもっと必要だと思う。それが堺市民としての一体感を醸成していき、ひいては歴史都市・堺をまもることにつながる。

 

対談は以上です。

 

 

対談1

対談2

対談3

 


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